TRADEMARK 台湾商標制度の概要とフローチャート

概要

台湾現行商標法は2016年11月30日に改正し公布され、同年12月15日に施行されたものであり、登録主義を採用しているため、出願の事実により使用意思があると認定される。

詳細および留意点

(1)商標態様と指定商品
・現行商標法第18条規定により開放式の規定を採用している。文字、図形、記号の他、着色、音声、立体、動態、ホログラム、位置等の新たな形態の標識は先天的な識別性をそなえ、または使用による後天的な識別性を取得した後、商標として登録される。
・証明標章、団体商標、団体標章の登録が可能である。
・ニース協定の「商品及び役務国際分類表第11-2022版」を採用している。商品または役務間の類否を判断するために、《商品及び役務近似検索参考資料》を公布し、随時修正する。

(2)出願情報と必要書類
・商標出願の言語は中文表記のみに限定し、一出願多区分制度を採用しており、出願後の案件分割が可能である。
・オンラインによる電子出願が可能である。
・商標の共同出願が可能である。
・代理人が出願する場合、委任状の提出が必要となる。
・パリ条約に基づく優先権を主張する場合、優先権証明書類の提出が必要となる。

(3)出願審査と関連情報
・ファストトラック審査:早期審査制度は設けていないが、2021年5月1日にファストトラック審査が正式に施行され、条件を満たす場合にファストトラック審査の対象となり、通常の商標出願より1.5カ月早く審査官へ交付され審査の段階に入る。
・補正と変更:出願人の氏名や名称、住所、文字用語の誤りまたはその他明らかな誤りを訂正することが可能である。商標の補正は原則的に認められないが、実質的な変更に該当しない場合は可能であり、指定商品・役務は範囲の縮減が受理される。
・方式審査:出願書類等に不備がある場合、補正指示が発付される。指定商品または役務が不明確または具体的なものではない場合、商品名称の修正・縮減や類別の移行等の手続を取ることができる。ただし、修正後の商品または役務は元の範囲を超えることができない。
・実体審査:絶対的拒絶理由(識別力の有無)および相対的拒絶理由(先行商標との類似性)等不登録事由(商標法第29、30条)の有無を審査する。出願人は拒絶理由通知に対し陳述意見書の提出ができ、コンセント制度(商標法第30条第1項第10~15号但書)とディスクレーム制度(商標法第29条第3項)等により登録を取得することも一策である。拒絶査定後30日以内に経済部の訴願審議委員会へ不服の申立を提起することができ、訴願決定に不服の場合、決定書送達後2カ月以内に知的財産および商業裁判所に出訴が可能である。

(4)商標登録と使用義務
・登録査定書が送達された後2カ月以内に、登録料を一括納付しなければならず、出願人の未納付が第三者の権益に影響せず、かつ故意ではない場合、納付期間終了後6カ月以内に2倍の登録料の納付により復権が可能である。
・商標の登録公告日よりその権利者が商標権を取得し、商標権の存続期間は10年とする。その権利範囲は登録商標と同一商標について同一の指定商品または役務における使用である。
・商標法第35条第3項規定には登録商標または国際的に通用する登録マークを付記することができるという規定が設けられている。
・商標登録後正当な理由なく3年間の継続的不使用がある場合、何人(利害関係不要)も不使用取消審判を請求することができる。

(5)商標権の更新
・更新時は実体審査を行わず、一回ごとの更新は10年とする。
・更新期間は登録満了日の前後6カ月間であり、満了日以降の更新は政府料金が倍額となる。

(6)異議制度と無効審判請求制度
・商標の登録公告日後3カ月以内に、何人(利害関係不要)も異議申立ができ、権利付与後の異議申立制度を採用している。
・利害関係人または審査官は無効審判請求を提起することができ、5年の除斥期間が設けられている。根拠商標が登録満3年の場合、使用証拠の提出義務がある。
・一部または全部の商品または役務に対する異議申立または無効審判請求の提起が可能である。

ソース

・台湾商標法
URL:https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawOldVer.aspx?pcode=J0070001

・台湾商標法施行細則
URL:https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=J0070002

・台湾《商品役務近似検索参考資料》
URL:https://topic.tipo.gov.tw/trademarks-tw/lp-653-201.html

CONTACT

お問い合わせ

特許・意匠・商標の国内・国外出願に関するご依頼はフォームよりお問い合わせください。