事業再構築補助金を特許出願に活用する方法

目次

事業再構築補助金は、日本経済の構造転換を促すため、事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金です。
この補助金を、特許出願に活用できることをご存じでしょうか?

北浜国際特許事務所が所属する北浜グループには、中小企業のための総合コンサルを行う北浜グローバル経営があります。
国の認定支援機関として補助金の申請支援も行っており、これまでの支援数は延べ4,000社以上(2023年7月末時点)、過去最高採択率は89.3%と高い実績を誇ります。

当所では、北浜グローバル経営と連携しながら、事業再構築補助金の申請支援から、補助金を活用した特許出願のご提案も可能です。
補助金の活用を考えている場合、実際にどういったことに注意すべきか、全体の流れと併せてご紹介します。

※本記事は第11回 事業再構築補助金の公募内容をもとに作成しています。詳細は必ず公募要項をご確認ください。
第11回 事業再構築補助金の詳細を見る(別サイトが開きます)

事業再構築補助金の補助対象となる経費

第11回事業再構築補助金では、知的財産権等関連費用経費が補助対象経費になっています。

※参照:事業再構築補助金 公募要領 第11回(https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/koubo.pdf

記載のとおり、弁理士の手続代行費用や翻訳料が補助対象となります。
例えば、以下の①~④のような費用が該当します。

①出願にかかる弁理士の費用
②中間処理にかかる弁理士の費用
③特許査定の成功謝金
④外国出願時の翻訳費用 など

ここで注意したいのは、出願に関する手数料(出願料、審査請求料、特許料など特許庁へ支払う費用)は、補助対象外であること。
補助金を活用できるのはあくまで「弁理士費用」が対象です。

補助金の流れ

補助金が振り込まれるまで

事業再構築補助金は、採択されてすぐ振り込まれるわけではありません。
事業計画書の申請から交付申請、補助事業の実施、実績報告を経てようやく補助金が振り込まれます。
前払いした分を請求するというとイメージしやすいでしょうか。

補助金が振り込まれるまでの具体的な流れは以下のとおりです。

※事前着手届出が受理された補助事業者は、この流れと異なることがあります。
参照:補助事業の手引き 2.1版 事業再構築補助金事務局(https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/documents/hojyo_tebiki01.pdf)

期間の条件

事業再構築補助金は、補助事業期間内に発生する費用が補助の対象となります。
補助事業期間とは、交付決定日から12カ月以内(ただし、補助金交付候補者の採択発表日から14カ月後の日まで。また、上乗せ枠に該当する場合は期間が異なります)を言います。
特許出願に補助金を活用するには、以下の二つが条件であることに注意が必要です。

■出願や中間処理にかかる弁理士の費用など、知的財産権等関連費用経費であること
■補助事業期間内に発生した費用であること

【補助事業の流れ】

参照:中小企業庁「事業再構築補助金の概要 12.0版」令和5年8月31日(https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/summary.pdf)

つまり、前述した①~④の費用を補助の対象にしたい場合、事業計画書に①~④の費用を記載しておき補助事業期間内で①~④の費用発生(請求書の発行)が必要となります。

補助事業期間中に発生し得る費用の予測、補助事業期間中の権利化までの計画、見積書発行のタイミング、請求書発行のタイミングなどは、特許事務所との間であらかじめ決めておくことが大切です。

早期審査の利用

特許出願は、権利取得までに3年から5年程度の時間がかかります。通常の審査であれば、補助事業期間内に権利化まで到達することは困難です。上述の(1)に記載した費用のうち「①出願にかかる弁理士の費用」しか補助の対象にできません。

しかし、早期審査を実施することで、補助実施期間内に①~④まで完了させることも可能になります。

早期審査・早期審理を申請するメリット

通常の審査・審理に比べて、審査結果・審理結果を早く得ることができます。 早期審査を申請した出願の平均審査順番待ち期間は、早期審査の申請から平均3か月以下となっており(2017年実績)、通常の出願と比べて大幅に短縮されています。 また、早期審理を申請した場合には、申請後、審理可能となってから平均4か月以下で審決を発送しています(2017年実績)。

※参照:特許庁HP(https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/soki/v3souki.html)

よって、事業再構築補助金を活用する場合は、早期審査の実施と、特許出願が事業再構築補助金と関わりがあることを理解している特許事務所への相談をおすすめします。

事前着手申請の利用

事業再構築補助金では、原則、交付決定前に契約や発注を行った経費は補助の対象外となります。しかし、事業再構築の類型によっては、事前着手届出が認められています。
事前着手届出が受理された場合、補助金の交付決定前であっても、特例として補助対象経費とすることができます(いつからいつまでの経費が認められるかは、最新の公募要領をご確認ください)。
よって、知的財産権を取得する場合は、事前着手届出を考慮して申請しておけば、出願費用から特許査定までの費用を含めやすくなります。
外国出願の翻訳費用なども対象に含めやすくなるため、ぜひご活用ください。

まとめ

事業再構築補助金を利用することで知的財産権取得にかかる費用の補助を受けることができます。
補助金を活用するにあたり、重要になるポイントをまとめると以下のとおりです。
■事業計画書には、権利化までの費用を記載しておく
■早期審査を使用して、補助実施期間内に権利化させる
■権利取得までに時間がかかる場合は、事前着手申請も利用する

北浜国際特許事務所では、補助金申請支援も行っている北浜グローバル経営と連携し、補助金の獲得、知財権利化の支援が可能です。
・権利化を考えている
・使えるのであれば補助金も活用したい
という方は、ぜひ当所にご相談ください。

【参考】
●補助金額と補助率
※参照:事業再構築補助金 公募要領 第11回(https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/koubo.pdf

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