【対談アフターレポート】ヤンマーホールディングス株式会社 知的財産部部長と語る“知的財産のこれまでと「これから」”

目次

2023年2月、大阪梅田にある北浜国際特許事務所のオフィスにて、ヤンマーホールディングス株式会社(以下ヤンマー)技術本部知的財産部の井藤浩志部長(弁理士)と当所所長の前井宏之(弁理士)の対談が行われました。

■対談の全貌は2023年4月28日発売の『PRESIDENT』または当社「PRESS」よりご覧いただけます。

立場の異なる両者に通底する思い

ヤンマーと当所のお取引が始まったのは2020年。同社の知的財産部の部長に就任された井藤部長より、前井にお声がけいただいたのがきっかけでした。

これまで知財畑を歩んでこられた中で「経営に対して貢献できる知的財産部でありたい」というポリシーをお持ちだった井藤部長。当時から経営戦略に基づいた知財戦略や権利化を理想としていた前井の姿勢に、通じるものを感じたそうです。

「知的財産という言葉が今でこそ世の中に浸透しているものの、もともと企業における知的財産部のプレゼンスが低いことに対する課題意識がありました」(井藤部長)

トライアルを経て、権利化業務の一部委託をご決定いただきました。

幅広い事業で変革と挑戦を続けるヤンマー

ヤンマーの事業領域は「大地」「海」「都市」。同社の名前を聞くと主力製品である農業機械や建設機械、ディーゼルエンジンを連想しますが、手がける事業は実にさまざまです。
なんと食や新燃料対応の分野における研究開発にも着手しているとのこと。

例えば、食に関する事業では独自のプラント技術を開発し、「ライスジュレ」の量産化に取り組んでいらっしゃいます。
「ライスジュレ」とは、グルテンフリー・添加物フリーであり、かつ100%国産米でつくられた食品素材。お惣菜のつなぎやとろみ付け、パン生地など、さまざまな場面で活用されています。「小麦の価格高騰という背景もあり、代替品としての米の価値が見直されつつある中、農業機械メーカーとして米を世の中の役に立たせたいという思いで始めた」と井藤部長は同社の思いを語ります。

食糧危機の深刻化に伴い、フードテック領域が世界的に注目を集めています。そのような中での「ライスジュレ」の量産化は、農業の活性化を図り、新たな食文化を創造する画期的なテクノロジーだといえるでしょう。
前井も、ご依頼を通してこの事業を知った時の衝撃を鮮明に覚えている様子でした。

業界大手でありながらも現状に甘んじることなく、果敢に挑戦を続けるヤンマーの姿勢の根幹に流れるのは、同社の「CHANGE & CHALLENGE」の精神。創業当初より受け継ぐ、「自ら変革することを恐れず、新たな社会を創造していく」という理念だといいます。

当所では、そんなヤンマーのほぼすべての事業において権利化業務を受託しています。
「さまざまな分野のプロフェッショナルがいる」そして「どんな技術分野であっても対応していただけるのはとてもありがたい」と井藤部長は当所についてお話しくださいました。

知財部門と経営層の関わり

ヤンマーのチャレンジ精神を物語るのは、事業の広さだけではありません。

2022年からは「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」を掲げ、環境負荷フリー、GHG(温室効果ガス)フリーを推し進め、グリーン領域でもリーダーシップを発揮されています。

近年、企業経営においてSDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)といった視点は無視できなくなっています。そうなると当然、そのような領域の研究開発の成果を権利化することも必要です。つまり、知的財産に携わる人もまた、経営の視点を意識しながら知財戦略を実行することが求められます。

これらのことを踏まえ「知財部門は経営層とのコミュニケーションを密にとっていくことを強く意識し続けなければならない」と井藤部長は強調します。

では、そのような企業の知財部門に対し、特許事務所はどういった存在であるべきでしょうか。

北浜のリソースと存在意義とは

「知財部門として『こうありたい』という思いはあるものの、社内の人間だけでは感じ取れない部分もあります。その点に関して御所はグループのリソースとして経営コンサルの知見を持っていらっしゃる。経営戦略を理解し、事業戦略や知財戦略も俯瞰的に見ていただいた上でのご提案を期待しています」(井藤部長)

特許事務所の主要業務は「権利化」ですが、企業からの依頼を粛々とこなしているだけでは他事務所との差別化は図れません。選ばれる特許事務所であり続けるためには、さらに一歩踏み込んだ価値提供が必要だと考えた前井は、スローガンに「知を活かす経営戦略」を掲げました。
そして、知財戦略が経営に資することを目指し、私たちは企業における知財部門との伴走支援を心がけてきたのです。

対談の最後、「どうして貴所のスローガンは『知財を活かす』ではなく『知を活かす』なのですか」という井藤部長からの質問に対し、前井はスローガンに込めた思いを語りました。

「ここでの『知』は『知的財産』と『知的資産』のさらに上位の概念を指します。知能によって創造された発明や意匠、商標である『知的財産』に対し、人材や組織やブランドなどを『知的資産』といいます。『知的財産』『知的資産』になる前のあらゆる『知』をも包括的に活かす戦略を提案できる存在でありたかったのです」

当所は、お客様の思いを共有し、伴走するパートナーになることを目指しています。
そのためには、企業様を多面的に理解し、その「知」を十分に把握する必要があります。

「同じ思いを持った方と一緒に仕事をすると、相乗効果でより良い知的財産ができると思っています」(井藤部長)

企業の経営戦略に貢献できるよう知的財産を創造・保護・活用することが知財部門の使命であるならば、その使命を理解し最大限サポートすることが当所の役割です。そのような関係性をもって初めて「相乗効果」が生まれるのでしょう。

お客様の経営戦略実現のために

今回の対談を通して、企業のビジョンや、知財部門が持つ思いを具現化するために私たちは存在するのだと、改めて認識することができました。

私たちはヒアリングや独自の調査をもとに、企業のリソースと経営戦略を理解し、その上で最適なご提案と権利化のサポートをいたします。

お問い合わせはこちら

[ヤンマーホールディングス株式会社]
本社:大阪市北区茶屋町1-32 YANMAR FLYING-Y BUILDING
ホームページ:https://www.yanmar.com/jp/

■「PRESIDENT」にて記事広告を掲載しています

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